【見学】豊島のこころの資料館見学と産業廃棄物が積み上げられていた場所の見学に訪れました

みなさん

こんにちは。野中やすおです。

本日、再び豊島を訪れました。前回は、『もう「ゴミの島」と言わせない――豊島産廃不法投棄、終わりなき闘い』の著者である石井 亨さんに会うために伺いました。前回の豊島訪問記はこちらから。

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そして今回は、徳島県から教師の方々4人と同行しました。豊島に到着してからは地元の高校生と石井さんを合わせて7人で行動しました!

結構大人数の社会科見学となりました。学校嫌いの私が大人になって学校教師の方と同行するなんて不思議なものです。写真も撮っちゃいました!

こちらのページで訪問の紹介もしてくれています。

豊島事件現場見学

今回の訪問では、それに加えて「立入禁止」看板の向こう側に行ってきました。そこはかつて産業廃棄物91万トンが山積みにされていた場所です。

途方もない産業廃棄物(中には非常に危険な化学製品を大量にふくまれていたそうです)は現在全て撤去され、今は荒野が広がるばかりです。ただし、まだ汚染除去は完了しておらず今も除去作業が続いています。

そして業者、行政である香川県、国、そして世論と壮絶な闘争の歴史といかに産業廃棄物を撤去し、今もなお除去を行いどのような未来に進もうとしているのかを、豊島事件において常に渦中にいた香川の生ける伝説「石井 亨」さんに伺いました。

わずか2時間の案内時間ですが、あまりにも壮絶な内容、そして一度ではとても自身に落とし込めない情報量でした。石井さんの本は事前に読んで予習したつもりですが、現場で感じる重みは全く違う。そう感じざるをえませんでした。

こころの資料館見学

 

かつての産廃業者の事務所は、今「こころの資料館」という形で豊島事件の資料や歴史を振り返る場所として活用されています。そして資料館の中で上記の写真の黒い塊が展示されていたのですが、これがなんだか分かりますか?

これは自動車の産業廃棄物らしいです。これをみた時にはっとしました。そして改めて豊島事件の当事者というのは、決して豊島住民、産廃業者、行政(香川県)だけではないと思いました。戦後、復興と経済発展を名目に大量生産・大量消費を是としてきた日本。そこでは膨大な地球環境が破壊され、消費され、変形してきました。そのゴミはどこにいったのでしょうか?決して無になったわけではありません。我々人間が一時の快楽を優先し作り出したものは、人間(もちろん人間のみならず)の人体に有害なものとしてしっかり帰ってきたのです。

つまり豊島事件の責任は、島を汚染し続けた産廃業者とそれを許し続けた香川県だけでなく、大量消費型社会を享受し続けた私たちにもあると言えます。

緒方正人さん著『チッソは私であった』を思い出します。

河出書房新社

チッソは私であった 水俣病患者認定運動の最前線で闘った緒方は、なぜ、認定申請を取り下げ、加害者を赦したのか? 水俣病を「…

豊島事件の成果?

突筆すべきは、豊島事件によって日本でも大量生産・大量消費型の社会から循環型社会への方向転換が行われるようになりました。豊島事件を契機に多くのリサイクルを推進する法律が生まれました。とはいえ今でも循環型社会への転換は全くできていません。目指せ、江戸時代の循環レベル。

そして何より豊島住民の長年の運動は、まさに民主主義の実践です。業者や行政からの圧力、謂れのない誹謗中傷にさらされながらも住民の方々は住民運動を続けました。そして運動の結果として成果も挙げました。豊島事件はよく負の歴史・遺産と言われるのですが、運動の中心に石井さん自身もおっしゃっていますが、ここ近年すっかり日本で失われしまった、住民運動や民主主義を長年にわたって実践してきた好例であり、サクセスストーリーという1面もあるといえると思っています。

豊島事件から学ぶべきは

豊島住民による運動から学ぶべきは、自分たちや自分たちの住む環境を守るためには、相手が国家だろうが、行政だろうが、企業だろうが、しっかり抵抗していくこと、そして最後まで自分たちの味方をしてくれる強力な助っ人をできるだけ早期に探し出すことでしょうか。豊島事件の場合は弁護士の中坊先生が強力な助っ人でした。

てな感じで、2回目の豊島訪問も超充実した内容でした! 3回目も今回同行した教師の方とまた訪問する予定ですが、今度は香川から誰か連れていきたいです。記事で豊島事件に興味を持った方(興味を持たなくても)は、ぜひ『もう「ゴミの島」と言わせない――豊島産廃不法投棄、終わりなき闘い』を読んでみてください!

また来年豊島にいきませう。